日本で生まれた全ての赤ちゃんは、治療しないと命に係わる重い障がいが残る可能性のある生まれつきの病気について検査をします。これを新生児マス・スクリーニングといいます。対象疾患は先天代謝異常症を多く含む20疾患です。この検査は、厚生労働省の指導の下、各自治体が主体となり実施されている公的事業で、みなさんの費用負担はほとんどありません。

オプショナルスクリーニングは、新生児マス・スクリーニングの対象になっていない早期診断・早期治療が極めて有効な疾患について、あなたがオプションで選択できる有料の検査です。

★検査にかかる費用については、現在受診されている医療機関にお問い合わせください。

医学の進歩により、先天性の病気でも治療が可能なものが増えてきました。しかし、どんなに優れた治療法があっても、病気の症状が現れる前に早く見つけて、適切な時期に治療ができないと、せっかくの治療法を有効に利用できません。また、特徴的な症状が少なく、通常の診療では見つけることが難しい病気もあります。そのため、オプショナルスクリーニングのようなスクリーニング検査が必要です。

★上記の9疾患に加えて、その他の先天性の病気についても順次拡大していく予定です。早期に診断し、治療を行うことが可能な疾患は今後ますます増えていくと予想されます。私たちは、少しでも多くの疾患をできるだけ早くオプショナルスクリーニングに組み込むための開発研究も行っています。オプショナルスクリーニングで使用したろ紙血はこの開発研究の貴重な試料となりますので、使用済みろ紙血の研究利用及び研究成果の公表についてご理解いただきますようにお願い申し上げます。

生後数日後の赤ちゃんのかかとから少しだけ採血しますので危険ではありません。そして、血液を専用のろ紙にしみこませ、血液の中の化学物質を測定し、病気の可能性について調べます。採血は、新生児マス・スクリーニングと同じタイミングで行いますので、赤ちゃんへの負担は少なくなります。

オプショナルスクリーニング結果から病気が疑われた場合は、本当にその病気かどうかを調べる「診断」が必要です。私たちがご紹介する専門医の施設で精密検査を行い、診断が確定しましたら、適切な治療を受けることができます。
オプショナルスクリーニング結果が陽性だからといって必ず病気と診断されるわけではありません。スクリーニング陽性集団には、ごくわずかですが、本当は病気でない人（偽陽性）も含まれています。この検査法は、精度の高い検査で、世界的にも実績がありますが、偽陽性が全くないと断言はできません。オプショナルスクリーニングは、「診断」ではなく、可能性を確率的に検討する検査であることをご理解ください。

★オプショナルスクリーニング検査や結果についてご不明な点等ございましたら、一般社団法人「希少疾患の医療と研究を推進する会」までお問い合わせください。